シンパパとは、「シングルファザー」を縮めた言い方です。
母親がいない家庭で、父親がひとりで子どもを育てている。その父親のことを指します。
そうなった理由は、離婚だけではありません。死別もあります。国の統計では「父子世帯」、ふだんの言葉では「父子家庭」とも呼ばれます。
……と、辞書のような説明はここまでにします。
私が、そのシンパパです。
40歳で離婚して、中学生と小学生の子ども2人と暮らしています。このブログは、その記録です。
この記事では、公的な統計の数字と、実際に暮らしてみてどうなのかの両方を書きます。
「シンパパって何だろう」と調べた方に、いちばん役に立つ形にしたつもりです。
日本に、シンパパは何人いるのか
14万9千世帯です。
厚生労働省が5年ごとにやっている「全国ひとり親世帯等調査」の数字です。
| 母子世帯 | 父子世帯 | |
|---|---|---|
| 世帯数 | 119.5万世帯 | 14.9万世帯 |
母子世帯の、8分の1しかいません。
これが、シンパパの置かれている状況を、いちばんよく表している数字だと思います。
小学校の行事は、お父さんの参加も割とあります。ただ、中学校の懇談会に行ったら、教室にお父さんは私ひとりでした。(父子家庭あるある①)
出典:厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」結果について(令和5年1月公表)/令和3年11月1日現在。「父子世帯」は、母のいない20歳未満の子どもを父が育てている世帯を指します(親族と同居している場合を含む)。
5世帯に1つは、死別です
ここは、あまり知られていないと思います。
| シンパパになった理由 | 母子世帯 | 父子世帯 |
|---|---|---|
| 離婚 | 79.5% | 69.7% |
| 死別 | 5.3% | 21.3% |
父子家庭の5世帯に1つは、妻を亡くした家庭です。
母子家庭の4倍です。
もちろん、いちばん多い理由は離婚です。約7割がそうです。 私も、そちらです。
ただ、残りの2割は死別です。少数とは言えません。
この記事を読んでくださっている方の中にも、そうした方がいるはずです。
先に、ひとつお断りしておきます。このブログに書いてあることの多くは、離婚した側の話です。
調停、親権、財産分与。そのあたりは、死別された方には当てはまりません。 そこはご承知おきください。
お金の話 ── 数字だけ見ると、恵まれています
正直に書きます。
| 母子世帯 | 父子世帯 | |
|---|---|---|
| 働いている人の割合 | 86.3% | 88.1% |
| うち正社員 | 48.8% | 69.9% |
| 平均年間就労収入 | 236万円 | 496万円 |
倍以上あります。
シンパパは正社員のまま働き続けている人が多く、そのぶん収入も保たれています。
ただ、これには裏があります。
数字が高いせいで、支援が届きません
私は離婚した直後、役所に行きました。
「何もありません」と言われました。(【お金②】ひとり親でも児童扶養手当がもらえなかった)
ひとり親向けの制度には、たいてい所得制限があります。そして父子家庭は、その線を超えやすい。
収入があるから困っていない、ということではありません。
生活は、それまでの2人分の手が1人になるだけです。仕事は減らせない。家事は増える。お金があっても、時間は買えません。
そして、統計の平均が高いからといって、うちが楽なわけではありません。
我が家も、潤沢に不自由なく暮らしているわけではありません。
これから高校進学があります。制服、教科書、通学の費用。受験にかかるお金もあります。まとまった額が、これから出ていきます。
男ひとりの家庭も、ちゃんと苦しいです。
もちろん、使える制度はあります。私も調べました。(ひとり親が使える公的支援まとめ)
「平均」は、うちの話ではありません
496万円という数字は、14.9万世帯を平均したものです。
平均が496万円ということは、それより下の人もいるということです。当たり前の話ですが、制度の線は平均のあたりで引かれます。
こういう数字もあります。
| 相対的貧困率 | |
|---|---|
| ひとり親世帯(大人が一人) | 44.5% |
| 大人が2人以上いる世帯 | 8.6% |
出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」 ※ひとり親世帯には母子世帯が多く含まれます
ひとり親世帯の、2世帯に1世帯近くが貧困線の下にいます。
この44.5%には母子世帯が多く含まれていて、父子世帯だけの数字ではありません。それでも——制度は、平均でしか見ていません。
もうひとつ、気になった数字があります
父子世帯は、自営業が14.8%です。母子世帯は5.0%。3倍近くあります。
・・・ただ、これは並べる相手を間違えると、話を盛ってしまう数字でした。
| 就業者に占める自営業主 | 割合 |
|---|---|
| 男性 | 10.2% |
| 女性 | 4.7% |
母子世帯の5.0%は、一般の女性(4.7%)とほとんど同じです。3倍の差の大半は、もともとの男女差でした。
それでも、父子世帯の14.8%は一般の男性(10.2%)より高い。しかもこの比べ方は父子世帯に不利です。一般の男性就業者には高齢の自営業者が多く含まれていて、その分だけ数字が上がっているからです。
では、なぜ多いのか。公式な資料にも解説にも、理由は書かれていませんでした。ここからは私の想像です。
ひとつは、時間の融通がきくこと。
父親が親権を取るには、実際に子どもを見ている実績が要ります。勤めていると、そこがいちばん難しい。自分の時間を動かせる人のほうが、子どもを引き取りやすいのではないか。
もうひとつは、お金です。雇われていると、収入に上限ができます。決められた枠の中で働くぶん、いくら必要でも、その枠は動きません。
ひとりで子どもを育てると、必要な額のほうが先に決まってしまいます。
・・・もっとも、いまから独立するのはリスクが大きすぎます。誰にでもできることではありません。
ただ、そうしたくなる気持ちのほうは、よく分かる気がします。
で、実際の暮らしはどうなのか
ここからが本題です。数字では見えないところを書きます。
朝は5時前に起きています
作るのは弁当だけではありません。朝ごはんと、昼のぶんもです。(【食事②】朝4時半起き、父の弁当作り)
始めた頃は4時半に起きていました。最近は少し慣れてきて、5時くらいです。
1日の流れは、こちらに全部書きました。(シンパパの1日、24時間タイムスケジュール)
いちばんしんどかったのは、料理ではありませんでした
始めた頃は料理が最大の敵だと思っていました。違いました。
献立を毎日考えることでした。これはChatGPTに丸投げして解決しました。(【食事①】献立が思いつかない父の救世主は、ChatGPTでした)
いまも解決していないのは、スケジュール管理です。(連絡は来ていました。それでも抜けます)
娘のことは、父ひとりだと難しい場面があります
生理用品を買いに行ったときのことを書きました。(父ひとり、初めての生理用品売り場)
これはシンパパにしか起きない問題だと思います。
半年で、だいたい何とかなりました
離婚したときに抱えていた3つの不安のうち、2つは何とかなりました。(父子家庭になって半年)
しんどかったこともあります。(父子家庭あるある①)
でも、いいこともちゃんとあります。(父子家庭あるある② ポジティブ編)
シンパパは、再婚しているのか
よく検索されている質問ですが、公的な統計はありません。
厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」には、世帯数も、収入も、養育費のことも載っています。ただ、再婚の項目はありません。
検索すると「再婚率◯%」という数字が出てきます。あれは「離婚歴のある男性」全体の数字で、子どもを育てている父親に限ったものではありません。
なので、私自身のことを書いておきます。
正直なところ、また結婚をしたいとは思っていません。
相手が求めるなら、それも構わないと思っています。ただ、紙でつながる関係よりも、心でつながる関係のほうが大事だと思っています。
恋愛そのものについては、別の記事に書きました。(シンパパも恋がしたい)
シンパパになる前、私が思っていたこと
他人がどう思っているかは、正直わかりません。
なので、自分が思っていたことを書きます。3つあります。
① 「ひとりで、やっていけるのか」
いちばん不安だったのが、これでした。
やってみて分かったのは、思っていたほど、ひとりではなかったということです。
周りの方が、驚くほど優しいのです。「何かあったら手伝うよ」と声をかけてくれる。子どもにと差し入れをいただくこともあります。
ありがたいことだと思っています。
② 「家事は、できるようになるのか」
なりました。
最初はできませんでした。でも、やらないと生活が止まるので、やります。
料理は、いまでは面白くなってきました。(シングルファザー1週間。料理が面白くなり、怒ることが減りました)
洗濯も、家電に頼りながら回しています。(ドラム式の乾燥はシワになる)
才能ではなく、慣れです。
③ 「父親に、親権は取れるのか」
取れました。(父親の私が親権を取れた理由)
しかも私は、離婚調停を申し立てられた側でした。それでも取れています。
「父親だから無理」と、最初からあきらめる必要はありません。
これからシンパパになる方へ
私が半年やってみて、いちばん言いたいことです。
大きな失敗はしないように。小さな失敗は、いっぱいしてもいい。
大きな失敗というのは、取り返すのに時間と労力がかかるものです。私の場合は、調停調書に自宅の所有権を書かなかったことでした。(ペアローンの落とし穴)
一方、洗濯機の配送を1ヶ月待ったのも、息子を練習着で試合に行かせてしまったのも、すぐに何とかなりました。
小さな失敗を怖がっていたら、何も始まりません。
そして、離婚の手続きで迷っている方へ。弁護士を立てるかどうかは、相手が立てるかどうかで決まる面があります。(弁護士を立てませんでした)
まとめ
- シンパパ=シングルファザー。 父ひとりで子どもを育てている父親
- 日本に14.9万世帯。母子世帯の8分の1
- 5世帯に1つは死別。 離婚だけではない
- 収入は母子家庭の倍以上。だから所得制限で支援が届きにくい
- ただし496万円は平均。ひとり親世帯の相対的貧困率は44.5%
- 自営業が14.8%と多め。ただし3倍の差の大半は、もともとの男女差でした
- 家事は慣れ。できるようになる
- 父親でも親権は取れる
- 大きな失敗はしない。小さな失敗は、いっぱいしていい
このブログには、30本以上の記録があります。どれも実際にあったことです。
同じ立場の方、これからその立場になる方の、何かの足しになれば。
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