ペアローンの落とし穴——離婚時に「調停調書」へ家の所有権を書かなかった話

離婚とお金

結論から先に書きます。

離婚のときにマイホームを残すなら、調停調書に「自宅の所有権」を必ず明記してもらってください。

これを書かなかった私は、ペアローンの借り換え審査に通らず、大変な遠回りをすることになりました。この記事は、その顛末の体験談です。

結婚して家庭を持ち、子どもが生まれると、家族の安らぎの場としてマイホームが欲しくなるものです。

私も、そのうちの一人でした。

夢のマイホーム、ペアローンで購入

広くはありませんが、35年のペアローンを組んで、夢のマイホームを建築しました。

大手の住宅メーカーなので、建築後のメンテナンスも安心。

周りの知人たちからも祝福され、舞い上がっていました。

土地や建物は、いずれ資産になると思っていました。

……資産になるのは、ローンの返済が終わってからですね。

離婚は、資産形成の大きなリスク

しかし、資産形成において、離婚は大きなリスクになります。

そう、問題は「ペアローン」です。

購入時は営業の方の勧めもあり、収入に応じた共同債務として、私が3分の2、元妻が3分の1を負担する形になっていました。

当時は元妻も働いていたため、「二人とも住宅ローン控除の恩恵にあずかれますよ」というのが理由でした。

ローンを一人で引き受ける決意

離婚調停では、子どもを引き取るうえで「環境を変えずに育てられる自宅を所有していること」が、私の有利な点でもありました。簡単に手放すわけにはいきません。

そこで、残りのローン約2,000万円を、すべて引き受ける決意をしました。

最近は金利も上がってきているので、「ついでに金利の低い銀行に借り換えよう!」と考えました。ちなみに、うちのローンは変動金利です。

落とし穴は「調停調書」にあった

ここで、もう一つの問題が……。

元妻は今回の離婚に際して、自宅の所有については争わず、手放す意向でした。住宅建築時に、私の親が頭金を出していたこともあります。

そんなわけで、離婚時の調停調書には、自宅の所有権について記載をしていませんでした。調停の中で話は出ていたのですが……。

後に、これが問題になります。

ペアローンからシングルローン(単独ローン)に切り替えようとしたとき、この調停調書が足を引っ張ったのです。

調書に家の所有権が明記されていないため、複数の金融機関に相談しましたが、ローンの審査が通りません。

近くの金融機関に勤める同級生に聞いたところ、「収入的には通るはず。でも調書に記載がないと、後々のトラブルを警戒して通らないことがある」とのこと。

まいった……。

調書の書き換えはできる?

裁判所に問い合わせました。「調書の書き換え、もしくは追記はできないでしょうか。調停の中で話に出た内容ですし、記録に残っているのでは」と。

……結論、無理でした。

公正証書という選択肢、しかし……

めちゃくちゃ考えました。

藁にもすがる思いで、元妻に相談。

出てきた案が、「公正証書を作る」。

調べたところ、公正証書は公証役場で作成するもので、弁護士や行政書士に依頼する場合は、書類作成の費用数万円に加えて、代行報酬が10〜30万円程度かかるとのこと。

元妻は応じてくれそうな態度ではあるものの、費用は絶対に負担しないと思われるため、さらに資産を減らす覚悟が必要になります。

……辛すぎる。

しかも、借り換えにも手数料がかかるため、多額のマイナスの予感。

そうだ、裁判所へ行こう

さらに考えます。

……

……。

そうだ! 裁判所に行こう!!

そうです。もう一度、財産分与に関する調停を起こせばよいと思いついたのです✨

必要なのは、離婚における財産分与に関する調停調書。

ないなら、作ればいい!

元妻からも、調停をすること自体には理解を得られたので、近々申し立てることになりました。

今回の学び

離婚の際は、調停調書に自宅の所有権をきちんと明記してもらうこと

「話し合いで決まったから大丈夫」は、金融機関には通用しないことがあります。

皆さんも、離婚の際はどうか気をつけてくださいね!

経過は、この記事の最後に追記していきます。

【追記・2026年8月】その後、どうなったか

あのあと、財産分与の調停を申し立てました。申立てから受け取りまで、裁判所に4回行きました

そして。

自宅の所有権が明記された、新しい調停調書ができました。

・・・ここまでは、うまくいきました。

ただ、借り換えには、まだ手をつけられていません。

まとまった時間と、心の余裕がないのです。

書類をそろえて、金融機関を回って、審査を待つ。そのための時間が、なかなか作れません。

調停だけでも、平日の休みが4日消えています。(弁護士なしの離婚調停、実際にかかったお金

取り返しがつかない失敗ではありませんでした。

ただ、取り返すのに、時間と労力がかかっています。(この考え方については、こちらにも書きました

そして、まだ終わっていません。

これから離婚される方へ。

調停調書に一行書いてもらうだけで、この全部が要りませんでした。

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