調停で渡される「宿題」。父親の私が親権を取るために書いたこと

調停の提出書類——宿題の量が、とにかく多い。 離婚と親権・調停

前回の記事で、私が親権を取れた理由として「調停で出された宿題に真摯に向き合ったこと」を挙げました。

今回は、その「宿題」の中身についてお話しします。

結論から言うと、私が意識していたのは、たった一つでした。

「子どもにとって何が一番いいか」だけを軸に書く。

それだけです。

調停で渡される「宿題」とは

親権について話し合う回の前に、記入用紙が渡されます。

子どものこれまでの養育状況、今後の子育ての環境、どのような条件であれば親権を譲れるか。そうした内容を次回までに記入し、双方が目を通したうえで話し合いに臨む形でした。

これが量が多い💦(しかも子どもの人数分です。)

ちなみにこの書類は「子の監護に関する陳述書」などと呼ばれるもので、離婚調停の申立書とは別物です。

札幌・仙台・広島などの家庭裁判所は、書式や記載例をウェブサイトで公開していました。「〇〇家庭裁判所 子の監護に関する陳述書」で検索すると見つかることがあります(同居している親用・別居している親用に分かれています)。

ただし、私が受け取ったものと項目が同じとは限りません。調停を控えている方は、担当の家庭裁判所に「事前に見せてもらえますか」と聞いてみるのが一番確実です。

どんな項目があるのか

おおまかに、こんな内容でした。

調停で渡された提出書類の項目を整理した図。自分の状況、子の状況、監護の実情、親権・監護権についての主張、面会交流についての主張の5つ。

「ここまで書くのか」というのが、最初の感想でした。

私が意識した5つのこと

① 抽象的に書かず、時刻を入れて具体的に書く

「朝は早く起きて家事をしています」ではなく、起床・家事・出勤・帰宅・食事・就寝を時刻で書きました。子どもの生活についても同じです。

書きながら感じたのは、大事なのは意気込みではなく、実際に子どもの暮らしを支えていけるのかどうかなんだな、ということでした。

時刻を書き出してみると、自分でも「ここは厳しいな」という時間帯が見えてきました。それも含めて、正直に書きました。

② これまでの役割分担は、正直に書く

ここが一番大事だったと思います。

親権を取りたい一心で、「自分が全部やってきた」と書きたくなります。でも、事実と違うことを書くと信用を失います。

私は、妻が担っていた部分は妻が担っていたと正直に書きました。そのうえで、自分が実際にやってきたことを具体的に書きました。

前回お話しした「継続性の原則」——これまで主に誰が子どもの世話をしてきたかが重視される——を思えば、正直に書くのは不利にも思えます。

それでも、嘘は必ず崩れます。

③ 支えてくれる人を、具体的に挙げる

ひとりで育てると言っても、実際には誰かの助けが要ります。

誰が、どういう形で、どこまで支えてくれるのか。これを具体的に書きました。

「親が近くにいるので大丈夫です」では足りません。同居するのか、何を手伝ってもらえるのか、その人の健康状態はどうか。そこまで書いて初めて、態勢として認めてもらえます。

④ これからの変化は、実現できることだけ書く

働き方を変える予定があるなら、それは書いたほうがいいです。

ただし実現できる範囲で。できない約束を書いても意味がありませんし、後で自分が苦しくなります。

⑤ 「子どもの環境を変えない」を軸にする

転校させない。住む家を変えない。生活のリズムを変えない。

子どもにとっての変化を最小限にする。これを、書類全体を通した一貫した軸にしました。

私が自宅を手放せなかった理由も、ここにあります(この話はペアローンの記事に書きました)。

相手について書く欄で、気をつけたこと

「他方が監護することで懸念されること」を書く欄があります。

ここは、感情に任せて書きたくなる場所です。私も、書きながら苦しくなりました。

意識したのは2つです。

  • 相手への評価ではなく、子どもへの影響として書く
  • 見聞きした事実を、淡々と書く

相手を責める文章は、読む人に「この人は子どもより相手を見ている」と伝わってしまう気がしました。一度書いたものを、そう思って書き直しました。

量が多いのには、意味がありました

正直に言うと、書いている最中は「多すぎる」としか思っていませんでした。

でも書き終えて気づいたのは、これは自分の覚悟を確認する作業だったということです。

子どもの生活を時刻で書き出し、これまでの役割を振り返り、これからの態勢を具体化する。

書き終えたとき、「自分は本当にやれるのか」という問いへの答えが、自分の中に出ていました。

だから、面倒でも本気で向き合う価値があります。

まとめ

  • 書式や記載例を公式サイトで公開している家庭裁判所もある
  • 具体的に、正直に書く
  • 相手への感情ではなく、子どもへの影響を書く
  • 量は多いが、自分の覚悟を固める作業でもある

これから調停に臨む方の、何かの参考になればうれしいです。

※書式や運用は、家庭裁判所や事案によって異なります。また制度も変わります。実際のお手続きにあたっては、必ず担当の家庭裁判所や弁護士にご確認ください。この記事は、あくまで私一人の体験です。

親権と調停シリーズ(全3回)

  1. 父親が親権を取ったあとの3つの不安。喜びは、すぐに消えました
  2. 父親の私が親権を取れた理由
  3. 調停で渡される「宿題」。父親の私が親権を取るために書いたこと(この記事)

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